当教室では自分の作りたい洋服を自由に作って頂いていますので、初心者さんでも自分のぺースで進めることができます。
洋服を仕上げるにはさまざまな工程や作業があります。それだけ楽しみも多いのです。
中でも生地選びはとても大切です。色々な生地を手に取って、この生地は私に似合うのか。どんなアイテムで、どんなデザインが合うのかを、頭の中で思い巡らせます。
生地が決まったら、どんな袖にしようか。ポケットはどうするか。衿はどんな形にしようか。ボタンにするかファスナーにするか。前開きにするか後ろ開きにするか。など、さまざまのことを考えてデザインを決めます。サイズ感も重要です。
とにかく沢山考えます。
そこが、完成した洋服を買うのと,自分で作る洋服との大きな違いだと思います。洋服の全てを「自分で決める」のです。
デザインが決まったらパターンを引いて、シーチングという仮の生地で作ってみます。思い巡らせたデザイン通りの形になっているかを見るためです。
私はその工程がとても好きです。紙の上で平面になっていたものが、立体になって「洋服」になる瞬間ですから。
洋服には、多くの先人の知恵が詰まっていて興味が尽きません。また、トレンドの移り変わりもあって、次から次へと作りたいものが溢れてきます。
ミシンを触ったことがない方でも,やっているうちに慣れてきますので、少しでもやってみたいと思われたら、簡単なスカートから始めましょう。
2023年10月吉日 疋田千枝
桜山教室と若杉カルチャースクールが5周年を迎えることができました。皆様のお陰で充実した5年を過ごすことができて感謝の気持ちでいっぱいです。今の気持ちを書き留めましたのでお読み頂けたら幸いです。
洋裁の楽しさとは
私は15年間ほど、洋服を買ったことがありません。洋裁を仕事にしようと思った時から、「着たい服があったら作ろう。」と決めたのです。非常勤で専門学校や短大の仕事をしていましたが、着る服がなくて困るなんてことはなく、むしろ、褒められたりします。
それまでは、月に3万円くらい洋服を買っていましたが、そのお金の必要もなくなり、洋服を作る過程で多くの楽しみを得られ、「洋服を作れる」って、なんて素敵なことなんだ。って思います。
あんな服が着てみたい。衿や袖の形はどうしようかとデザインを考える楽しさ。生地を選ぶ時、どんな色が自分に似合うだろうか。どんな素材がデザインに合うだろうかと生地を選ぶ楽しさ。いよいよ縫製に入るとポケットやファスナーはこうやって作るんだ。生地にハサミを入れたり、ミシンで縫ったり、洋服が出来上がるまでには、たくさんの楽しさや発見があります。
洋裁に少しでも興味を持ったら、すぐに始めてみてくださいね。
洋裁の目標
洋裁を趣味として楽しむことは、とても素敵なことだと思います。それに加え、最近は洋裁を習って洋服を売りたい。検定を受けて教える側になりたい。そんな声を耳にするようになりました。
2012年の秋にMさんは、お嬢さんの服を作れるようになりたいと入られました。当初は気ままに洋服を作られていましたが、いつしか教えることが目標になり、小幡教室を引っ越す際に、処分するつもりだった机4台を、「それはもったいないのでもらいます。」と言われ、軽トラックに乗って取りに来られました。そして4年間、その4台の机はご親戚の倉庫で保管されました。
その後、Mさんはパターン検定を受け、課題をクリアし、3年間アシスタントをし、2020年7月、ついにご実家のお花に囲まれた素敵なログハウスで、洋裁教室と、さをり織りの教室を開校されました。
これからは、洋裁を習得して「教室を開きたい」「洋服を作って売りたい」そんな目標を持つ生徒さんもバックアップして行きたいと思います。
生徒さんが楽しんでレッスンを続けて下さったり、目標を達成してもらえることは、私にとっても大きな自信になります。自分が人の役に立っているという実感が持てた時、人は自信が持てるんですね。
先輩や仲間の存在
そのように自信を持つことができたことは、決して一人ではなく、私を支えてくれた先輩や仲間の存在があったからです。近くにいるが故にトラブルが起きたり、関係が途絶えてしまった事を耳にすることがあります。
そんな事がないように、お互いを尊重して助け合える存在は最も大切なものだと思います。私はこの5年間を充実した生活を過ごせました。いつも支えて下さる先輩や仲間が近くにいてくれるからです。心より感謝の思いでいっぱいです。そしてもう暫くお付き合い頂きたいと思います。
最後まで読んで下さってありがとうございました。
2021年8月吉日 疋田千枝
皆さまのお陰で、桜山教室と若杉カルチャースクールが3周年を迎えることができました。
至らないことばかりとは思いますが、笑顔で楽しく3年を過ごすことができて感謝の気持ちでいっぱいです。
この3年間で、皆さまから頂いた気づきを3つにまとめましたのでお読み頂けたら幸いです。
「この机の上がハイライト」
ー 洋服を作る楽しみ ー
何のためにファッションショーをするのかを、話している時でした。Oさんに、「ファッションショーで自分の作品を発表するよりも、私にとっては教室のこの机の上がハイライトなの。」と言われた言葉が忘れられません。
デザインを考える。トワルを組む。ファスナーを付ける。ギャザーを寄せてフリルを付ける。さまざまな工程、それ自体を楽しんでみる。うまく出来た時にほくそ笑む。そんな楽しみ方もありますよね。
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「おしゃれで安い服」
ー 洋服を作る意義 ー
おしゃれな洋服がたくさん、しかもお安く売られている昨今、手間をかけて洋服を作る意義って何だろう。と、自問自答することがあります。
映画『ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~』 に、その答えがあるように思います。是非ご覧頂きたい映画です。
世界のもっとも貧しい多数の労働者たちとのフェアトレードは大きな問題となっています。また、食品では食べ残し、売れ残りや期限が近いなど様々な理由で、食べられるのに捨てられてしまう「食品ロス」も問題になっていますが、洋服も同じことが言えます。大量に作られる洋服も売れなければ、廃棄しなければなりません。着られる洋服がどれほど捨てられているのか想像すらできません。
でも、私たちは自分で着る洋服だけを作っているので無駄がありません。また、自分で洋服を作ることは、言わば、地産地消と言えるでしょう。流通経費を削減することができています。私たちはミシンと少しの道具と、生地さえあればお気に入りの洋服ができます。そんな意識でいれば、洋服作りが意義あるものに思えるのではないでしょうか。
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「生地が洋服になるのを見て感動した」
ー 洋裁ってすごい ー
オーダーの仕事を見ていてMさんが、「1枚の生地が洋服になって着られるようになるのを見て感動した」と言ってくれました。お客様と生地を選び、デザインを決め、パターンを作成し仮縫いの後、縫製し、やっとお渡しする。お客様はその洋服をハレの日に笑顔で着られる。
日常になっていて見過ごしてしまいがちですが、私たちは、生地のままではいつまでも着られないものを、お出かけ着やハレの日に着られる洋服に仕立てることができる。それって実はすごいことなんだ。って気づかせてもらいました。
「生地に命を吹き込む」
ミシンと少しの道具があれば、
私たちにはそれができるのです!
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面倒だな。とか、うまく出来ないな。とか、マイナスな気持ちになった時に、参考にして頂き少しでも洋裁に前向きになって頂けたらと思い、日頃思っていることを書き留めてみました。
最後まで読んで下さってありがとうございました。
2019年8月吉日 疋田千枝
疋田洋裁は、疋田絹代先生により1957年(昭和32年)に開校し、今年で60年目を迎えておりました。絹代先生が9年前に他界されて以降、私が引き継ぐことになってから85名の生徒さんが入学されていらっしゃいます。それ以前を振り返ればさらに多くの方に支えて頂いたことに気づかされます。
小幡教室は2016年7月23日をもちまして、移転することとなりました。長きに渡りご指導下さいました先生方、お通い下さいました生徒の皆さまに心より感謝申し上げます。
2016年9月より再開致します桜山教室でも新しい洋裁を模索しながら、さらなる向上を目指して精一杯頑張りますので、どうぞ宜しくお願い致します。
2016年8月11日 ひきた千枝
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